結婚式では、遠方から参加されたゲストへの交通費や宿泊費として「御車代」を渡すことが一般的です。
また、特別な役割を果たした人への感謝の気持ちとしても利用されます。
封筒の選び方については多くの方が迷われるかもしれません。
この記事では、結婚式と葬儀で使う封筒の選び方について詳しく解説し、御車代の正しい準備方法をご紹介します。
最後までご覧いただき、役立てていただければ幸いです。
御車代封筒の選び方:金額別の3つのオプション
御車代を封筒に入れる際は、ただ任意のものを選ぶわけにはいきません。
金額に応じた適切なタイプの封筒を選ぶことがマナーです。
ここでは、お車代の金額に応じた3つの選択肢を紹介します。
1万円未満:ポチ袋
御車代が5,000円から1万円未満の場合、ポチ袋が適しています。
お年玉用の小さな袋でも大丈夫ですが、カジュアルすぎるデザインは避けて、品のあるものを選ぶようにしましょう。
1万円以上:略式ご祝儀袋
御車代が1万円以上の場合は、水引やのしの印刷された略式ご祝儀袋を用います。
結びきりやあわじ結びの水引が好ましいです。
蝶結びは避け、新郎新婦の名前や「御車代」と印刷されたデザインも選べます。
無料テンプレートを利用して、好みのデザインを印刷することができます。
2万円以上:正式ご祝儀袋
2万円以上の御車代を渡す際は、紅白または金銀の水引とのしのついた正式なご祝儀袋を使用します。
高額にふさわしい豪華なデザインを選ぶことが重要です。
シンプルなものなら、100円ショップで適切な商品を見つけることができます。
御車代封筒の書き方ガイド:基本の4ステップ
御車代封筒の正しい書き方には、いくつかのマナーがあります。
これらのポイントを分かりやすく説明します。
表記方法
封筒の表面には、「御車代」または「御車料」と明記します。これらは御車代に特有の表記で、封筒の前面にはっきりと書くことが推奨されます。
購入する封筒は、これらの文字が事前に印刷されているタイプを選ぶと良いでしょう。
名前の記入
送り主として、新郎または新婦、あるいは両者の名前を記載します。
新郎の名前は封筒の右側、新婦の名前は左側に記入するのが通例です。
特殊な状況の場合は、家族に確認することをおすすめします。
筆記具の選択
名前や表記を手書きする場合は、筆ペンや毛筆を使用します。
ボールペンやサインペンは不適切とされているため、注意が必要です。
手書きに自信がない場合、印刷された封筒を使用するのも良い方法です。
受取人の名前は記入しない
送り主の名前を封筒に記入しますが、受取人の名前は書かないのが一般的です。
封筒を受付に渡す際は、一時的に名前が分かるよう付箋を利用すると便利です。
直接手渡す場合には、付箋を取り外してから渡すようにしましょう。
結婚式での御車代の正しい配り方:4つの重要ポイント
御車代の封筒の準備だけでなく、その配り方にも注意が必要です。
誰が、いつ、どのように御車代を渡すかを具体的に説明します。
配る人
通常、新郎新婦が直接お車代を渡すのが理想ですが、結婚式当日は忙しくてなかなか難しいものです。
そのため、大抵は新郎新婦の親または受付の担当者がこの役割を代行します。
この際、「新郎新婦の代わりに」と伝えることが大切です。
配るタイミング
御車代の配るタイミングは大きく分けて以下の3つです。
- 披露宴の始まる前
- 披露宴中
- 披露宴後
記帳の際や披露宴の進行の合間に受付で渡されることが一般的です。
また、披露宴後のお見送りの時に直接渡すこともありますが、遠方からのゲストが早退することもあるので、その点は特に注意が必要です。
渡す際の一言
御車代を渡す際には、感謝の気持ちを込めた一言を添えると良い印象を与えます。
例えば、「遠方からお越しいただきありがとうございます」と言うことができます。
新郎新婦が直接渡せない場合には、メッセージカードや手紙を添えることで、より心のこもった感謝の表現ができます。
目立たない配布方法
御車代は控えめに、目立たない方法で配ることが求められます。
全員が同じ条件ではないため、他のゲストに気づかれないよう配慮しながら渡すことがマナーです。
結婚式と葬儀で異なるお車代の目的と渡し方
結婚式と葬儀におけるお車代は、その渡し方と目的において明確な違いがあります。
結婚式では、御車代はゲストへの感謝を示すために提供されるものです。
具体的な用途としては、以下のような場合が挙げられます。
- 遠方から来たゲストの交通費や宿泊費を支援
- 挨拶や乾杯を依頼したゲストへの感謝の印
- 仲人や媒酌人の移動費用
一方で、葬儀における御車代は主に僧侶の交通費用として用意されます。
通常、これは僧侶の移動に関わる費用を補助するため、お布施とは別途手渡しで支払われることが一般的です。
最近では、親族に対しても御車代を渡すことがあるため、その慣習については地域や家族の意見を参考にしながら決めることが推奨されます。
一般の参列者に対して御車代を用意する必要は通常ありませんが、変化する風習に注意することが大切です。
まとめ
お車代封筒を選ぶ際は、単に何でも良いわけではありません。
金額に合わせて適切な封筒を選ぶ必要があります。
封筒の表書きには「御車代」または「御車料」と記し、筆ペンや毛筆を用いるのが一般的です。
新郎の名前を右に、新婦の名前を左に配置しますが、相手の名前を記入する必要はありません。
封筒の渡し方にも礼儀が求められ、「新郎新婦の親か受付担当者が渡す」「適切なタイミングで渡す」「一言添えて渡す」「目立たないように渡す」といった手順が推奨されます。
結婚式と葬儀では御車代の意味が異なるため、その違いを理解しておくことも大切です。
選び方から渡し方に至るまで、一連のマナーを遵守することで、礼儀正しく感謝の気持ちを表現し、公式な場面での対応をスムーズに行えるようになります。
この記事が、そうした場面で役立つ参考となることを願います。